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アドベントクランツ

DagmarによるPixabayからの画像

 

12月24日のクリスマス・イブまでの約4週間をアドベント(待降節)と呼びます。アドベントはラテン語の「到来」という意味の言葉が語源となっており、昔の人々が救い主の到来を待ち望んだように、イエス・キリストの誕生を迎えるための準備をする期間として過ごします。それと共に、主イエスが再びこの世に来られることも覚えます。教会では毎年、この期間にアドベントクランツを飾ります。常緑樹の葉を土台にして、その上に4本のろうそくを立てます。アドベントの最初の日曜日には1本目のろうそくに火を灯し、次の日曜日には2本目、その次は3本目というように、日曜日が来るたびに一つずつろうそくに火を灯し、クリスマスが近づいてきていることを表します。

 

4本のろうそくはそれぞれ、「預言のキャンドル」、「天使のキャンドル」、「羊飼いのキャンドル」、「ベツレヘムのキャンドル」とも呼ばれます。また、それぞれに「希望」、「平和」、「喜び」、「愛」を表わします。はるか昔から預言されていた救い主がベツレヘムでお生まれになったことが、天使によって羊飼いに知らされたこと。救い主への希望、天使が告げた平和、羊飼いたちの喜び、神の愛といったクリスマスの出来事の意味を、このろうそくを灯しながら思い起こしているのです。

 

12月になると、一年を振り返ることがよく行われます。この一年だけでも、心が痛む事件や事故、戦争や災害がありました。電気代も大幅に値上げされるなど、経済的にも不安があります。そんな時代だからこそ、クリスマスの出来事を通して、みんなで分かち合うことのできる希望や平和、喜びや愛について考えてはいかがでしょうか。闇の中でこそ、進むべき道を照らす光が、私たちには必要だからです。

 

牧師 杉山望