· 

子どもたちと一緒に遊ぼう

Scott WebbによるPixabayからの画像

 

先週の金曜日、石川県私立幼稚園協会振興大会が行われ、岐阜聖徳学園大学の西川正晃先生が『やる気スイッチは乳幼児期の学びで決まる―あなたはサイですか?ゾウですか?』という題で講演をしてくださいました。「あそび」が持っている「教育力」を大切にしてきた金沢めぐみ幼稚園としても、その意義を改めて確認させられるようなお話でした。

 

西川先生は、遊びを「トキメキの繰り返し」だと説明しました。子どもたちはトキメキを感じることを何度でも繰り返し、その中から色んなことを学びます。大人の目から見ると「イタズラ」としか見えないことも、子どもにとってはトキメキを発見したのであって、そのこと自体には良いも悪いもありません。大人はつい、「何かができること」を求めてしまいますが、トキメキのないことを繰り返しても学びにはなりません。早期教育に関するある研究によると、小学校入学前に字が書けるように勉強させても、その差は1年生のうちに消滅し、むしろ勉強嫌いになるという弊害が生じることもあります。社会の変化が激しくなり、「これを学んでおけば大丈夫」と言えるようなものがなくなっていく中で、自ら学びに向かう力や姿勢が育つことの方が重要だ、というお話を、うんうんと頷きながら聞いていました。

 

講演の副題の「サイとゾウ」は、「やりなさい、やめなさい」ではなく、「やるぞう、いいぞう」と言えるようになりましょう、というお勧めでした。もちろん、やってはいけないことは教えなければなりませんが、そのときも子どものトキメキを認めることを忘れずに。大人はつい、正解や解決策を与えようとしてしまいますが、その必要はありません。むしろ、一緒に生活し、一緒に悩み、一緒に遊び、毎日を面白くしようと過ごすことが、子どもが繰り返しトキメキを感じ、やる気スイッチを押せるようになっていくために求められることです。共同体が崩され、核家族化が進みましたが、そのような関わりは、親子の間だけでなく、周りにいる大人にもできることでしょう。子どもたちを一緒に色んな遊びを楽しみましょう。

 

牧師 杉山望