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世界とつながっている私たちの選択

meineresterampeによるPixabayからの画像

 

最近、原幹太さんのYouTubeチャンネルをよく見ています。1994年生まれの原さんは、フリーランス国際協力師と名乗り、アフリカのウガンダのNGOと協働して、女子児童に対する生理用品支援などを行なっています。彼のチャンネルでは、色々な社会問題をわかりやすく解説していますが、その中で古着リサイクルにまつわる問題が取り上げられていました。

 

最近では店頭で古着を回収している企業もありますが、リサイクル名目で回収された大量の古着の多くは国外に輸出されています。2016年にはアメリカから75万トン、日本から24万トンの古着が輸出されました。その多くは最終的にアフリカにたどり着きます。例えばウガンダでは、店頭に山積みにされた古着が1枚6円で販売されています。これはウガンダの人たちにとっても安すぎる価格です。そのため、地元の人たちがミシンを使って作った衣服は価格的に太刀打ちできなくなり、地元の繊維産業が打撃を受け、雇用も失われる、ということが起こっています。さらに売れ残った古着は自国で処分せざるを得ず、西アフリカのガーナでは、毎週1500万着の古着が輸入され、その約4割が埋立て処分されています。このような状況を改善しようと、アフリカ諸国は古着の輸入禁止処置を取ろうとしましたが、アメリカの反発によって頓挫しました。古着を輸出できなければ、先進国は自国で大量の衣類を処分しなければならなくなり、古着関連の雇用も失われるからです。

 

リサイクルや支援というのは無条件に良いことだと思っていましたが、実は先進国がアフリカなどの途上国を搾取することにつながっていることもあるのだと教えられました。私たちの生活は世界とつながっているので、平和な世界を作るために、私たちにもできる選択があります。より良い選択ができるようになりたいと願っています。

 

牧師 杉山望