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これからの時代の目標

stokpicによるPixabayからの画像

世界は大きな転換期を迎えています。人々の生活は急速に変化を続け、情報量は処理しきれないほど巷に溢れ、コミュニケーションの手段も新しくなり続けていく。人類共通の課題にも直面しながら、その解決への道筋は見えない。そんな時代に求められる教育について、国連の国際指針では、次のように指摘されています。

 

「世界は地球規模で解決が求められる大きな課題に直面している。相互に関わりを持つ地球規模の挑戦は、全ての人々の尊厳のために、私達がどう考え、行動するか、大きな意識変革を要求している。一人ひとりが、読み、書き、計算できるようになるだけでは、教育の目標として不十分だ。教育は変わり続けるものであり、重要な価値観を生み出すものである。……教育は、また、私達の日々の生活に繋がる大きな問題について答えを出すものでなければならない。」

 

これまでは勉強ができたり、お金を稼ぐことができたりすることが教育の目標と考えられてきたかもしれません。けれども、世界的に著名な発達心理学者のロバータ・ミシュニック・ゴリンコフさんとキャシー・ハーシュ=パセックさんは、これからの時代の教育の目標を次のようにまとめておられます。

 

「学校の内外を問わず、健やかで、思慮深く、思いやりがあり、他者と関わって生きる、幸せな子供をサポートする環境を作る。そんな子供が、やがて、他者と協力し、創造的で、自分の能力を存分に発揮する、責任感溢れる市民となり、社会を活性化する。」(『科学が教える、子育て成功への道』キャシー・ハーシュ=パセック、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ、扶桑社、2017)

 

この目標は、人間を創造された神の目的とも重なる部分が多いように思えます。二人は、これからの社会で求められる能力を、コラボレーション(Collaboration)、コミュニケーション(Communication)、コンテンツ(Content)、クリティカルシンキング(Critical Thinking)、クリエイティブイノベーション(Creative Innovation)、コンフィデンス(Confidence)の6つにまとめています。それは子どもたちだけでなく、大人も共に学び、伸ばしていくことのできるものであり、私たちもこの目標に向けて前進できるのです。 

 

牧師:杉山望