· 

パレスチナとイスラエルのために祈る

max_gloinによるPixabayからの画像

イスラエル軍がパレスチナ自治区のガザに対して激しい砲撃や空爆を繰り返しています。これはガザを実効支配するハマースのロケット攻撃に対する報復とされていますが、ことの発端にはイスラエルによる国際法違反行為がありました。

 

「イスラエルの法廷が、違法なユダヤ人入植地建設への地固めとして、東エルサレムのシェイク・ジャラ地区に住むパレスチナ人28家族のうち少なくとも13家族に対して、数世代にわたって住んでいる家からの退去命令を出しました。これらの家族は、1948年にシオニスト武装勢力によって75万人以上のパレスチナ人が故郷の村・街・都市を強制的に追放された「ナクバ(大災厄)」以来シェイク・ジャラ地区に住み続けてきた人たちです。2021年5月から8月初にわたって、17人の子どもを含む59人が、何世代にもわたって暮らした家をイスラエル人入植者に占拠され、行き場を失うことになります。」(パレスチナYWCAからの呼びかけより)

 

被占領地への入植や私有財産の没収はジュネーブ諸条約に違反する行為であり、国連決議でも繰り返し指摘されています。今回、イスラエルによる強制追放が原因となってエルサレムでの衝突が繰り返されるようになり、今月10日には、イスラーム教のモスク「岩のドーム」が建つエルサレム旧市街で大規模な衝突が起こりました。これを受けてハマースがイスラエル領内にロケット弾を発射、イスラエルは報復として空爆を始めたのです。14日の時点で、イスラエル人の死者は8人、ガザでは子ども31人を含む119人が死亡し、負傷者は830人を超えています。

 

キリスト教の中で、「イスラエルのために祈ろう」という呼びかけをしている団体があります。キリスト教はユダヤ人を迫害してきた歴史もありますので、悔い改めを込めて祈ることは必要です。けれども、その呼びかけはしばしば国家としてのイスラエルの視点だけに立ってしまい、イスラエルを善、パレスチナを悪とする構図になってしまいがちです。私たちには、起こっているすべてのことを知ることはできませんし、いつも公平な視点を持つことができるわけでもありません。それでも、一方的な主張に飲み込まれてしまわないように気を付けたいと思います。全ての人を愛し、最も小さな者と共におられる主イエスは、パレスチナにもおられるからです。