· 

物語を紡ぐバプテスト

Trixie LikoによるPixabayからの画像

先週、「『連盟七十年史』フォーラム報告書」が教会に届きました。これは2018年に発行された『日本バプテスト連盟七十年史』を学ぶ場として、2019年にもたれたフォーラムの報告書です。そのフォーラムでは西南学院大学神学部の濱野道雄教授が、「日本バプテスト連盟の物語―これまで、そしてこれから」と題してテーマ講演をしてくださいました。そこで濱野先生は、バプテストの宣教論は、それを物語として考えるのがふさわしいのではないか、と提案しておられます。

 

もしそれが“論文”のようなものであれば、私たちが次になすべきことは、それに則って決められます。けれどもそれが“物語”となると、たとえば「バプテスト主義」の特徴も、新しい視点で読み替えたり、新しい言葉で言い換えたりすることが求められます。“物語”は、次の展開がどうなるか、決まりきってはいません。そうだからといって、「なんでもあり」なのではありません。次の展開がどうなるかということは、これまでの物語(つまり歴史)と繋がっているからです。「上から決めることもできない、しかしなんでもありではない、その緩やかな、しかし一つの流れを共に考える方法が物語という考え方です」。次はこうなるはずだとは言えない、それがバプテストの歩みだ、ということです。

 

連盟の70年の歩みも物語として捉えられます。「人とどう共に生きるのか、歴史の中でどう生きるのか、全ての被造世界と自らも被造物としてどう生きるのか、その関係性をいかに展開していくのか、新しいクリエイト、創造していくのかを私たち(連盟)は70年代以降、自らの言葉で探ってきている」。そのようにして教会は物語を描き、「神を主人公とした物語の登場人物として生き」てきました。

 

昨日は連盟の総会検討委員会の公開委員会を行いました。これは連盟の機構と共に、総会の在り方を見直し、変革する取り組みです。バプテスト教会にとって重要なものである総会を、これまでの物語との繋がりの中で新しい視点で考え直し、これからの展開とし形作ろうとしています。これもまた物語を描く一つの取り組みです。

 

連盟だけでなく、個々の教会にも物語があります。金沢教会ではこれまでの略史を毎年確認し続けてきました。その物語との繋がりの中で、これからの物語を紡いでいくのは私たちです。神様が主人公の物語の登場人物として、私たちはどのような物語を描くことができるでしょうか。