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これからの教会の使命

Candelario Gomez LopezによるPixabayからの画像

例年とは大きく異なった一年が終わろうとしています。金沢教会にとって、今年は牧師交代という大きな変化を経験する年でした。そのことは2020年が始まる前からわかっていたことですが、今年はそれに加えて、新型コロナウイルスのパンデミックという予想外の事態にも直面することになりました。金沢教会では、全国に先駆けて3月から会堂での礼拝を休止し、一度は再開したものの、イースターから再び集まることを断念し、2か月の間、それぞれの自宅での礼拝をささげました。その間に、礼拝動画のオンラインでの配信も始め、Zoomでの交わりや祈祷会も行いました。礼拝の動画配信や、祈祷会へのZoom参加は現在も行っています。そのことで、教会には集えない方もオンラインで繋がることができるようになり、そこには新たな可能性を見せられています。

 

それでも、今年を振り返って、教会の使命を十分に果たすことができたか、と問うと、それは十分ではなかったと言わざるを得ません。教会には三つの基本的使命があると言われています。それは、交わり(コイノニア)、伝道(ケリュグマ)、奉仕(ディアコニア)です。ドイツの神学者ドロテー・ゼレは、「これら三つの要素はすべて不可欠であり、互いに結び付いている。このうち一つでも欠けると、ほかの二つも危うくなり、硬直しかねない。」(『神を考える』)と言っています。 奉仕についてはコロナ対応も加わりましたが、共に担うことができました。しかし、交わりや伝道は、かなり制限されている状況が続いています。

 

私たちがコロナ危機の中でも、何とかして捧げ続けた礼拝は、この三つの使命が重なりあった部分であり、三つの働きをつなぎ合わせ、発展させていくものです。2006年に作られた金沢教会の「ミッション・ステートメント」でも、第一の項目として、「私たちは『主の日の礼拝』を全ての営みの中心に位置づけ、一人ひとりが主から頂いている賜物に気づき、その賜物を活かして用い、神と隣人に仕えます。」と掲げています。新たな年を迎えても、今しばらくは活動を制限されることが予想されますが、その中でも礼拝をささげることを大切にしたいと思います。それと共に、コロナ危機の間、あるいはその後の教会の使命をどのようにして果たしていくことができるか、ということも、主の導きを求めつつ、考えていきたいと思います。