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わたしのふるさと

昨日、札幌バプテスト教会を会場として、「沢知恵チャリティー・ライブが行われました。元々は震災から2年が経過した胆振東部地震の被災地・被災者の方々を覚えて、札幌バプテスト教会と、被害の大きかった里塚地区の会館でコンサートを行う予定でした。ところが新型コロナウイルスの感染拡大のために、里塚会館でのコンサートは中止となってしまいました。

 

それでも、主催者である胆振東部地震キリスト教支援連絡会は、一か所にたくさん集まることができないことを逆手にとって、全国の色んな場所にコンサートの映像を配信し、チャリティーの輪を広げる、という企画を立てました。急なお誘いでしたが、金沢教会もその呼びかけに応じて、ライブビューイングの会場となりました。

 

当日、遠く離れた札幌から、沢知恵(ともえ)さんによる素晴らしい演奏と歌声が届けられました。歌ってくださったのは、讃美歌や沢さんが詩に曲をつけた歌などの他に、童謡の「ふるさと」もありました。「あなたのふるさとはどこですか? あなたを迎えてくれるところはどこですか?」と語りかけながら、沢さんはこの歌をうたいました。

 

沢さんにとってのふるさとの一つは、ハンセン病の療養所である大島青松(せいしょう)園です。沢さんは生後6か月のときに、牧師であった父に連れられて、初めて青松園へ行きました。ハンセン病は感染力が非常に弱いのですが、以前は治療方法がわからず、また病気の症状によって手や顔の形が変わってしまうために人々から恐れられていました。そのため、療養所に赤ん坊が来ることはとても珍しかったようです。沢さんが成長してから再び青松園に行った時も、みなさんが覚えていてくださって、そのことがとても嬉しかった、とおっしゃっていました。

 

私は福岡で生まれて1年半、その後徳島で6年間、埼玉で19年間を過ごしました。祖父母は岩手にいましたし、両親は山形にいます。ふるさとの町はどこかと聞かれても答えることは難しいのですが、自分が過ごしてきた教会は、自分にとってのふるさとだと感じます。そこにいる方々が私のことを覚えていてくださるからです。

 

聖書は、キリストを信じる人には「天の故郷」があると証ししています(ヘブライ11:16)。神様が私たちのために天の都を用意していてくださいます。神様が私たちのことを覚えていてくださって、私たちの神と呼ばれることを喜んでくださり、私たちが帰ってくることをいつでも待っていてくださいます。

 

天の故郷を用意してくださる神様に感謝します。そして私たちの教会も、多くの人にとって、「わたしのふるさと」と感じてもらえるような場所でありたいと願います。

Cang NguyenによるPixabayからの画像