会えなくても祈り合おう
先週も、激動の一週間となりました。１３日(月)に石川県で緊急事態宣言が出されたかと思えば、１６日(木)には全国を対象とした緊急事態宣言が出されました。これまで誰も経験したことのない事態で、予断を許しませんが、台湾など感染を終息させることに成功した国もあります。これが終わりのない戦いではないことに、希望も見せられています。
それでも、日曜日に教会での礼拝を共にささげられないことは、私たちにとって痛みとなります。私は３月まで札幌にいましたが、北海道では全国に先駆けて感染が広がっていたため、３月中の会堂での礼拝をすべて休止していました。
詩編１３３編１節には、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。」という御言葉があります。集まれなくなったからこそ、本当にその通りだったなと思わされます。愛する兄弟姉妹が共に座っている。顔と顔とを合わせ、共に御言葉を聞き、讃美し、祈りを合わせるということは、神様からの恵みであり、喜びでした。遠方におられたり、ご病気だったりして、なかなか集まることが難しかった方もおられますが、また教会で、あるいはそれぞれの場所で、共に座ることができるように祈っています。
そして、会うことはできなくても、互いに連絡を取り合い、祈り合いながらこの時を歩んでいきたいと思います。私は教会にいますので、お気軽にお電話ください。また互いに連絡の取れる方とも、可能な範囲でやり取りを続けてください。そのときに、イエス様が共におられることも覚えつつ、祈り合い、神様からの励ましをいただきましょう。
聖書から始まった安息日
今日は「安息日」について考えてみたいと思います。辞書で調べると、安息とは、「何の心配・苦痛もなく静かに休むこと」と説明されていました。今、様々なことが休みになり、自粛が求められていますが、それが「安息」だとは思えません。一方では、休みたくても休めない方、家事や育児にむしろ忙しくなった方もおられることでしょう。日曜日の過ごし方も大きく変えられてしまった今、神様によって定められた「安息日」とは何だったのかと考えさせられます。
カレンダーは、どれも一週間を７日としています。これは聖書から始まった習慣です。７日を一週として、そのうちの一日を安息日とするという、７日ごとのサイクルの中に安息日を含むというものが、神様から示された生き方に含まれているのです。
これは、休むのは一日だけにするのがよい、ということではありません。また、７日ごとに休まなければいけない、ということでもありません。週休２日が多く、最近では週休３日という働き方も出始めていますし、休みのサイクルが７日ごとのサイクルではないということもあります。その違いは問題ではありません。
ここで大事なことは、一定の期間ごとに休みがある、ということです。神様は安息する日を定められたのです。つまり、人間には誰でも休みが必要であり、神様は私たち人間に安息する日を与えようとした、ということでもあります。
命を守るための安息日
安息日は、イスラエルの王国時代から重要な意味をもっていました。そのころには奴隷制度があり、奴隷を休みなく働かされるということもあったようです。すると、その過酷な労働のために体を壊したり、命を落としたりする人が出てしまいます。
そこで、奴隷も含めたすべての人が休む安息日を守るようになりました。そこでの対象を、一部の人たちだけではなく、奴隷の身分となっている人まで含めてすべての人としたところに、神様の計らいが現れています。すべての人に安息・休養が必要なのです。安息する暇もなく、命を脅かされるようなことがないように、神様が配慮してくださった。神様は、すべての人の命を守り、尊重するために、安息日を定められたのです。
ところが、安息日の目的が次第に変化していきました。安息日を守ることがユダヤ人の証しとされ、安息日の規則を守らずに労働した人を死刑にする、ということさえ起こりました。
イエス様の時代には、そこまでの罰則はなかったようですが、正しい安息日の守り方を、細かな規定によって決めていました。安息日にしていいことと、してはいけないことをリスト化したのです。つまり、安息を与えるという本来の目的からは離れて、決まりを守らせることが優先されるようになってしまったのです。
ある安息日に、イエス様と弟子たちが麦畑を通っていかれると、弟子たちは歩きながら麦の穂を手で摘んで食べ始めました。ここで、知らない人の麦畑の中を通ったり、その麦を摘んだりしたことは非難されていません。それは当時の決まりごとの中では問題ないことでした。しかし、安息日に麦を摘むことは禁じられていました。
そのため、この様子を見ていたファリサイ派の人々は、弟子たちが安息日にしてはならない労働をした、と言って、イエス様を非難しました。決まりの上ではその通りです。彼らは熱心に正しいことをしようとしていただけでしょう。ただ、それは神様が求めていたことではなく、人の命を守るものでもありませんでした。
イエス様は、ダビデの例を取り上げます。それは、律法には例外がある、ということです。聖書に定められた律法も、またそこから考え出された決まり事も、文字通りに守ることが第一なのではありません。その律法や決まり事が、何のために定められたのか、ということが大事なのです。
何を優先するか、ということは、律法だけに関わることではないのかもしれません。私たちが日々の生活の中で守っている決まり事、ルール、慣習、働きなどがあります。それらも元々は、何か大事にしようとしていたことがあったはずです。その大事にしようとしていたことを忘れて、守ること、続けることだけが優先されてしまうことがあります。特に、今回のような非常時、これまでに経験したことのない状況の中では、今一度、何を優先すべきなのか、何を大事にしようとしていたのかを、問い直すことも必要なのではないでしょうか。
魂の安息を与える神様
ユダヤ教では土曜日を安息日として守ってきましたが、教会ではイエス・キリストが復活した日を記念して、日曜日を主の日として、また安息日として守ってきました。
安息日には、仕事を休む日とか、体や心を休める日という面もありますが、それと共に、魂の安息ということも大事なことでしょう。たとえどのような状況にあっても、私たちの魂には安息が必要であり、神様は私たちをご自身のもとで憩わせ、慰めを与え、新たな日々へと送りだしたいと思っておられます。私たちの体や心だけでなく、魂にも安息が必要なのです。
神様への礼拝は、神様への捧げものであると同時に、私たちが神様のもとで安息することでもあります。聖書を読み、御言葉を聞き、讃美をささげ、祈る。神様の御前で静まり、あるいは神様と語りあうこと。それは神様が私たちに求めておられることですが、同時にそれは私たちのためでもあるのです。私たちがこの世の歩みの中で安息を忘れてしまいそうなとき、魂が飢え乾くときに、神様はご自身のもとで私たちを憩わせてくださいます。
「わたしは主をたたえます。主はわたしの思いを励まし
わたしの心を夜ごと諭してくださいます。
わたしは絶えず主に相対しています。
主は右にいまし、わたしは揺らぐことがありません。
わたしの心は喜び、魂は躍ります。からだは安心して憩います。
あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく
あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず、命の道を教えてくださいます。
わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い
右の御手から永遠の喜びをいただきます。」 （詩編１６：７～１１）
たとえ教会に集うことができなくても、私たちは神様と向かい合い、神様の御言葉を聞きます。神様が私たちの右にいて、私たちを支えてくださいます。神様から与えられる安息によって、私たちの魂は喜び踊るのです。神様が安息日に教えようとしておられるのは、「命の道」なのです。そこに何度でも立ち返りながら、私たちは日々の歩みへと押し出されていくのです。
今の状況の中で、様々な対応が求められています。やりたいこと、思っていたことができなくなった、ということがあります。反対に、休みたくても休めない状況もあります。やることが増えて、これまでしっかりとできていたことに手が回らないということもあるでしょう。不安の中で安心できないということもあるでしょう。
その中でも、私たちの誰にも「安息」が必要であることは変わっていません。疲れていませんか。苦しくなっていませんか。私たちには誰でも安息が必要です。神様も私たちに安息が必要な事を知っておられ、安息を与えようとしておられます。
イエス様は言われました。
「安息日は、人のために定められた。人が安息日のためにあるのではない。
だから、人の子は安息日の主でもある。」（マルコによる福音書２：２７～２８）
私たちのなしていること、為すべきこと、しなければならないと思っていることのすべてに勝って、私たち一人ひとりの命が大切です。どのような決まり事も、働きも、命に優先するものはありません。神様が何よりも大事にされた私たちの命を、私たちも大切にしましょう。そのための安息を――体の安息、心の安息、そして魂の安息を――取りましょう。安息することに後ろめたいことは何もありません。安息することは、神様が示されたことなのです。
（牧師・杉山望）
April 19th,2020 Sunday Service
"What should we prioritize"
Scripture reading taken from Mark 2:23-38
Pray for one another even if we cannot meet
Last week was a hectic week as well. On 13th April, emergency declaration was declared in Ishikawa Prefecture, and on 16th, the whole of Japan was declared emergency. It is an unprecedented situation, but there are countries such as Taiwan that have succeeded in putting a stop to the spread of the virus. We have been shown hope that this is not an endless battle.
Even with what is happening, being unable to serve together in church on Sunday is something griefs us. I was in Sapporo until March, and due to Hokkaido being ahead in the spreading of the virus, all church services were halted in mid-March.
Psalm 133:1 says, “How good and pleasant it is when God’s people live together in unity!”. In this time where we cannot gather, we can truly feel the truth of this verse. Seating together with our beloved brothers and sisters, seeing each other’s faces while exchanging words and praising the Lord together as well as praying for each other, what a wonderful blessing from God. There may be some people living in someplace far, or those who are feeling unwell, but let us pray that the day we can gather again in Church come soon.
Though we cannot meet face to face, let us keep in contact with one another and pray for one another. I will be in church most of the time, so please feel free to call me anytime. As for those who can keep in contact with others, I urge to continue doing so. In these times, let us continue remembering about Jesus, pray for others and receive encouragement from God.
The Sabbath day
Today I would like everyone to ponder upon the Sabbath day. If you look it up the dictionary, Sabbath means to rest without worry or grief. Now, a lot of operations are halted, and we are being confined to our own houses, but I don’t think this qualifies as Sabbath. On the other hand, there are those who are instead busier due to house chores and child nursing. The way we live our Sundays have been changed drastically. Now, let us ponder on what does the Lord means when He created the Sabbath Day.
A week is defined as 7 days in every calendar. This practice is started by the Bible. To have 7 days a week and one of them being a Sabbath day.
This does not mean that in a cycle of 7 days, we have a rest day, nor does it mean we must rest a day every 6 days. Most work life has a 2-days rest day a week and some have 3-days rest days a week, that is why it is not having a rest day every 6 days. And the difference in the numbers of rest days in a week is not a problem.
The important thing is to have rest at regular intervals. God has declared there be a Sabbath day. In other words, humans need to rest, and that God has given to us this Sabbath day in response to our needs.
The Sabbath day that helps us protects our life
The Sabbath day held great importance ever since the kingdom of Israel. At that time, slavery was still legal, and slaves usually have to work non-stop without rest which usually result in them damaging their body or even losing their lives.
It was then Sabbath day was created and everyone including the slaves have to observe the Sabbath day. This Sabbath day is not only targeted to certain groups but to all groups including slaves. Through this one can see that God is immeasurable. Everyone needs rest. In order to prevent cases where one has to work for a long period of time without resting and may lead to death, God provided a solution. God created the Sabbath day to protect and respect everyone’s life.
But as time passes, so does the meaning of Sabbath. Observing the Sabbath day is the Jews’ way of life, and those who does not observe the Sabbath are put to death.
In the era of Jesus, there was no such punishment for not observing the Sabbath, however there were detailed rules to observe the Sabbath. The things you can do and cannot do on the Sabbath day is made into a list. In other words, they strayed away from the original intention of Sabbath, making it a rule or a custom instead of understanding the meaning of Sabbath.
One Sabbath Jesus was going through the grain fields, and as his disciples walked along, they began to pick some heads of grain. Going through a foreigner’s grain field and picking up heads of grain was not prosecuted at that time as it was part of the law so there wasn’t any problem about that. But picking up grain on Sabbath was forbidden.
Hence, when the Pharisees saw that the disciples were doing work that was forbidden on Sabbath, they criticized Jesus. It was according to the law at that time no doubt, but who knows whether the Pharisees were doing this for the right reasons or not. All we know is that what they are doing is not according to God’s will, nor is it for the sake of protecting human lives.
Jesus then used the example of David. This is to say that there are exceptions to the commandments. It means that obeying the commandments stated in the Bible and the laws created word for word is not the most important thing. The most important thing is to understand the will behind the creation of the commandments and laws.
Choosing what to prioritize is not just something related to the commandments. It is also related to the things we do usually in life like rules, habits, works, etc. Under all those things, there should be important reasons for why we do those things. And there are times where we forgot those important reasons and just continue doing what we do for the sake of just doing. Now under a new circumstance, what should we prioritize, what have we deemed important, it is a good time to revisit those questions.
The God who gives rest to the spirit
In Judaism, Saturday is the Sabbath day, but for the Church, to commemorate the resurrection of Jesus Christ, we make Sunday as the Lord’s day and observe it as Sabbath as well.
On the Sabbath, it is important to not only give rest our body and mind, but to also give rest to our spirit. No matter the circumstances, we need to give rest to our spirit. I think God wants us to rest, gives us comfort and prepares us to receive a new day. We need to rest not only our body and mind, but also our spirit.
Sunday service is both serving our God and resting at his feet. To read the Bible, listen to His words, offer our praises and pray. To quiet down ourselves before God or to speak with the Him. That is what God wants from us and at the same time what we need. In life there will be times where we forget to rest and our spirit will begin to starve, that’s when God will come personally to deliver rest to us.
Psalm 16:7-11
7 I will praise the LORD, who counsels me;
even at night my heart instructs me.
8 I keep my eyes always on the LORD.
With him at my right hand, I will not be shaken.
9 Therefore my heart is glad and my tongue rejoices;
my body also will rest secure,
10 because you will not abandon me to the realm of the dead,
nor will you let your faithful[a] one see decay.
11 You make known to me the path of life;
you will fill me with joy in your presence,
with eternal pleasures at your right hand.
Even if we cannot gather at church, we can still look to God and listen to his words. God is at our side to support us. The rest given by God to us makes our spirits dance with joy. The thing that God is trying to teach us through Sabbath is the way of life. To always get back on our feet and walk into a new day.
In the present circumstances, various precaution is necessary. Things that you hoped to do and wanted to do may no longer be possible now. At the same, there are also cases where you cannot rest even if you want to. Necessary actions have increased, operations that have been carried out smoothly have drastically increased to an extent that there is no leeway. There may also be times when you cannot rest peacefully in such events.
In the midst of all those, the fact that we need “rest” have not changed. Are you not tired? Is it not tough? Everyone needs rest. God knows that everyone needs rest and tried to give to everyone through Sabbath.
Jesus said in Mark 2:27-28
27 Then he said to them, “The Sabbath was made for man, not man for the Sabbath.
28 So the Son of Man is Lord even of the Sabbath.”
Things that we need to do, should do and must do are only secondary to the importance of our lives. Nothing exceeds the importance of lives. God cherished our lives above all, so we should do the same. That is why we properly observe the Sabbath. To rest our body, mind and spirit. There is nothing so important that we should push back resting. To rest is what God instructed us to do.
Pastor Nozomu Sugiyama
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